ヤマイモと発音したり、ヤマノイモと言ったりするのですが、原産はどうもアフリカのようですね。
実に600種類くらいあるのだそうですが、そのうち、食用になるのは数十種類と言われております。
ヤヌイモという言い方をする場合もあるのですが、誤植ではありません。アフリカ人がヤヌと呼んでいたのが起源で、そのままヤヌを山に当てたのではないかと思います。
ですからヤヌイモのほうがより起源に近い発音になりましょうか。
日本では長芋という種類のヤマイモがありまして、これは日本にしかないようです。厳密には食感等が違うのですが、効用はあまり変わりませんので、ここでは自然薯(じねんじょ)を含めヤマイモと一括表記させて頂きます。
さてこのヤマイモ、関東以北でよく穫れます。逆に西日本ではあまり馴染みがないかもしれません。(西日本に住んだことがないので分かりませんが)
いずれにしても私なんかはとろろ芋としてご飯にぶっかけて食べるのが好きですね。
昔、赤坂見附にある定食屋さんが「とろろ麦飯」というメニューを出していて、隣で食べている人をみると実に美味そうに食べているのです。
これを「となりのトロロ」定食と言います。
(ウケませんでしたか?となりのトトロにかけたオヤジギャグです)
なんにせよ、隣の人に影響されて注文し、食べてみると実に美味い!
麦飯が一番合う感じがしますが、グルテンが合わない方は白飯でもいいでしょう。
白飯でも、粘りがあって甘い高級なものよりもパサパパサした業務用スーパーで安売りしている米のほうが合いますね。
個人の好みについてはどうでも良いのですが、実はこのヤマイモ、漢方では山薬(さんやく)と言って上薬に分類される立派な漢方薬です。もちろん、これは食品でもありますから、薬膳でもよく使われるそうです。
効用は、漢方的にいうと健胃薬です。
医学的には
⚫加齢性黄斑症の予防(ビタミンC B1、B6が豊富)
⚫腸内環境を整える(食物繊維が豊富-結腸がんの予防に有効)
⚫血糖値の上昇を抑える(これも食物繊維によって糖の吸収を遅くさせるという効果)
などが確認されております。
そして、何よりもこのヤマイモが注目されるキッカケになったのが、神奈川県 黒岩知事の体験談でした。
黒岩知事の父親が80歳のときに肝臓がんと診断されて余命2ヶ月と宣告されたそうな。
高齢でもありますし、手術などしたらかえって寿命が縮むということで、外科的処置もせず、抗がん剤の服用もなしという判断に至ったらしいのですが、何もしないというのも身内としては内心忸怩たるものがあったのでしょう。
漢方の先生に相談したら、今回のテーマであるヤマイモを勧められたと言います。
それも毎日のように食べるように指示され、それを実践したんだそうですね。
すると、あ~ら不思議。
2ヶ月の余命どころか、がんが消えてしまったと・・・
これには大変感動して、講演会等でこの話をするようになったのです。
ただ、知事という立場上、医師会を敵に回すわけにもいきませんので、「未病」という概念の大切さとか、普段の食事がそのまま薬にもなるとか、そういう話の中での体験談という形でオブラートには包んでいますが、それでも鮮烈な体験談ですよね。
有象無象の人間が言っているわけではなくて、知事という責任のある立場の人が言っているわけですから。
こういうこともあってか、ヤマイモの需要はかなり増えたらしいです。
また日本原産の長芋なんかは、日本人って品種改良の達人ですから、根毛をなくした品種や食べやすい品種、より美味しい品種などが開発されて海外への輸出も増えているのだとか。
ここで肝臓がんに効くとか、その他のがんにも有効とか、そういう話に短絡しますと危険ですが、80歳の老人が毎日食しても、害がない、胃もたれもないというところには注目すべきだと思います。もともと健胃薬として用いられていたので当然ですけど。
あまり好きな味、食感ではないという人が無理して食べる必要はありませんが、特に嫌いではないのであれば、意識的に摂るべき良き食品だと思います。
特に胃の調子が悪い人はお勧めですね。
はい、今回は特に足揉みとは関係ない話でしたが、医食同源(中国では薬食同源といいます)と言われておりますし、結局、人間というのは食べたもので出来ているわけですから、何を食べるかというのがとても重要でしょう。
何事も継続するということが重要だと言う意味では足揉みとも共通します。
未病から対処していくという意味でも共通項がありますね。
そんなことで、コロナも一段落しそうですし、胃の調子を上げて、腸のお掃除をして、これから益々、活躍して頂ければという意味で今回のテーマにした次第です。
老婆心、もとい老爺心ながらの提案です。
※1 里芋と山芋は「属」も「科」も違うものです。日本産の里芋は独特のぬめりがあるので、山芋の仲間くらいの感じで誤解がされている人が居ますが、文字通り「里」と「山」くらいの違いがあります。里芋も良い食品ですけが、漢方で用いられるのは山芋の方です。
※2 里芋は生で食することはできませんが、山芋はとろろ飯に代表されるように生食が可能です。生ばかり食べるのが飽きるという方は、ググれば山芋を使ったレシピが山のように出てきます。参考にされたら如何でしょうか。私はとろろ飯の他、マグロの刺し身に和えて食べたり、オーソドックスに煮付けにして食べることが多いですね。週一、もしくは月三くらいで食べますかね。季節にも依りますが。