急遽、6月度勉強会は表題の通りに変更致しました。この文章は勉強会が終わったあとに読むのかな?それとも前に読む人もいるのでしょうか?

前者の人でも後者の人でも、問題なく読めるように構成したいと思います。

さて、なぜ変更したのか?ということなのですが、最近、とみに加齢性難聴及びそれに伴う耳鳴りについてのコマーシャルがネットを中心にして多いのです。

そのうち飽きて、それらのCMは無くなるでしょうけども、現時点においてはネットをみていて見かけない日がないくらい頻繁ですね。

しかし今後、高齢化がますます進み、加齢性難聴&それに伴う耳鳴り症候群は多くなることはあっても少なくなることはないでしょう。

そういった実利の面からという意味合いがまず一つあります。さらに耳は延髄より上の反射区ですから「感覚交差」という概念がどうしても出てきます。

そうしたことで、表題のテーマになったわけです。

実は、この「感覚交差」についてある種の疑念を持っておりました。

ここらへんをハッキリさせておかないと、耳系の反射区アプローチするときに迷いが出て来るかもしれません。

全然、迷ってない人も居るかもしれません(笑)が、長くやっていると、突発性難聴、耳鳴り、めまいのクライアントさんを診る機会も多いでしょう。

そうすると、仮に少しでも迷いが出ると“想い”が弱くなって、反射区にアクセスしづらくなる可能性もないわけではありません。

全息胚原理というのはそういうものですから、反射効率を高める為にも、ハッキリさせておいたほうが良い案件だと思いました。

そんなことでテーマを変更した次第です。

さて、実をいうと私は加齢性難聴ではなく、若年性難聴に悩まされてきました。

加齢性であろうと、若年性であろうと難聴であることは同じですから、その苦労やウザったさなどはよく分かるのです。

初めて、難聴だと知ったのは(医師の診断)30歳くらいでしたか。

昔人ならご存知でしょうが、ポケットベルというものがありました。スマホやガラケーさえなかった時代ですから、外出した人に連絡したいときはこのポケットベルを鳴らされていたわけです。その時代、公衆電話はたくさんありましたので、鳴ったら連絡を入れるというパターンです。

若い人はこのウザったさ、分からないでしょうね。

で、このポケットベルですが、お知らせ音が高い音でピーピーピーと鳴るわけです。ところが私はそれが聞こえないことが多く、目の前で話している取引先の人から「ん?鳴っているよ、武田さん」なんて指摘を受けていました。まだ、知った人がいるといいのですが、車に乗り一人で居ると、全く気付かず、結果、連絡を入れるのが大幅に遅れるということが結構あったのです。(それで怒られたこともあったなぁ)

(これはおかしい・・・耳に異常があるのかなぁ、そういえば人の話も聞きづらいし・・・)

そんなことで、近くの耳鼻科医院にかかったわけです。聴力検査の結果、診断は高音性難聴。「武田さん、聞こえてないですね」と医師。「え?そんなに聞こえてないのですか?」

「そうですね、特に高音部ですが、普通の人の半分も聞こえてないです」

「なにか方法があるのでしょうか?」

「こういう種類のものは原因不明なのです。ですから、治療でなんとかできるというものではありません」

ガーン!!ドンダケ~!!(当時、こんな言葉はなかったけど)

どうやら、補聴器で聴力を調整するしかないようでした。

補聴器・・・まさか自分に補聴器が必要とは・・・この若さで?男のピークは32歳だぞ(東洋医学)、ピークの前に耳が遠いなんて、しかも有効な治療法がないって!?

嘆いていてもしょうがないです。当時はまだ癒し業を正業、本業にしていたわけではなかったのですが、ボランティア的に、あるいはアルバイト的に足揉みをしていましたので、自分で自分の足を揉むことを決意しました。入浴中とか、風呂上がりとか、気づけば必ずという感じです。

悪化することはあっても、自然に良くなることはないということでしたので、最低でもなんとか進行を食い止めたいですよね。4~50代くらいまでもてばなぁ、という気楽な感じです。

現在、6月で66歳になる年です。(わぁ、666だ!オーメン!)

悪化はしていますが、補聴器はなんとかしないで済んでいます。不便ですけどね。

悪化が最小限に抑えられたのはセルフケアのお陰かな、と思ったりしているのです。

自分がそうでしたから、耳系の疾病には大変、興味がありました。

整体を始めても、めまい、耳鳴り、突発性難聴(加齢性難聴もそうですが)、こうした疾病に関しては、とにかくアンテナを立てて、その都度、情報を集め、自分に役立てて、かつクライアントの為に精進してきました。

そこでなんですよ。セルフケアのときから、どうも感覚交差は怪しいぞ、と。

クライアントさんの足の状態と耳の状態を診ても、感覚交差といえばそうも言えるような例が散見される程度。ほとんどはこれそのままじゃないかと・・・

後年、教える立場になって、感覚交差を教えないとイケナイことになっていたので、内心忸怩たる思いをしておりました。

フリーになってからは自由に研究できますし、発表もできるわけですから、とりわけ、アンテナを張っていましたね。

その集大成だと思ってください。

本編で詳しく述べますが、神経解剖学、生理学から言っても「感覚交差」はちょっとおかしいですね。しかし、感覚交差されている場合も少数ですが「ある」・・・この謎も解けています。

それらを踏まえた上で「耳の反射区」「平衡器官の反射区」を深堀りし、それだけは足りない場合もありますから、それ以外の反射区にも言及しました。

ともあれ、耳系の疾病というのは治しづらいのです。これこそ早期発見、早期治療が求められる疾患でしょう。もしくは原理が分かれば未病対策として施術を行えればベストです。

しかし、残念ながら、因果関係に気づかず、加齢性難聴が強く出たり、私のような若年性難聴は稀でしょうけども、それでも難聴という形に出るのではなく、めまいとか耳鳴りとか若いうちから出るパターンも多いと思いますので、一聴の価値はあるのではないかなと思います。

そんなことで、年相応で健康な耳のために!という思いで、勉強会のテーマにした次第です。