昔から眼病の特効穴として「曲池」というツボが有名でした。でした、という過去形ではなくて、今も鍼灸師などは、このツボを使って眼病に対処しようとしております。

※このツボは肘を曲げたとき、丁度、その折り曲がったところに窪みができます。上の部分ですけども・・・そこです。もしくはその周辺にあります。詳しく知りたい方はネットで画像検索してみてください。多くの画像が出てくると思いますよ。

ただし、鍼灸でよく使うということであって、整体的にはもっと効くところがあります。それは後頭骨の際で、目の裏に響いていくような箇所があるのです(個人によって場所は若干の差異がありますが)。

ここを探してよく押圧しますと、目の前がハッキリ・クッキリするという感想を持つクライアントさんが多いですね。

さて、この部位(後頭骨際)を足の反射区で考えてみると、頸部の反射区ではありますが、「小脳」寄りに少し上にあげて施術するとその部位に当たると思います。これは全息胚原理に基づくのですけどね。

さらに重要な考え方は、東洋医学では肝と眼の関係性を強く示唆しております。

西洋的に言っても、肝臓というのは単位組織当たりの酸素消費量が多いのですが、実は眼の組織(周辺含む)もまた単位組織当たりの酸素消費量がとても多いのです。それは肝臓を上回っていて、脳を除けば人体最大の酸素消費量と言えます。

肝臓に酸素が足りなくなってしまうと、命に関わります。そこで人体は、当座、命には別状がない眼の酸素供給量を減らしまで肝臓に回します。それが長い間、続きますと、眼の酸素不足が常態となって、眼病になりやすくなるというメカニズムが働くわけです。

「肝臓に全然異常がないですよ」という人も居るのですが、肝臓というのは沈黙の臓器でね。全体の8割の機能がなくならないと検査数値に異常が出ません。

ですから健康診断で安心しても、実はかなり機能低下しているなんてことは結構あるんですよ。

というわけで、眼病にはまず肝を治せという言い伝えがあって、私も幾例か経験しております。

つまり、眼病の方には、曲池、後頭骨際、按腹(特に肝・胆)に重点を置くことになります。足心道療術師の場合は、頸部(小脳寄り)、肝臓・胆のうの反射区、そして曲池。曲池は足にはないのですが、座らせたまま腕の施術というのは簡単ですから、そこも加えるとよろしいということになるわけです。

※眼病というのは白内障、緑内障、難病の網膜変性症とかも含みます。いずれも完全に病になりきりますと、厄介で簡単ではありません。網膜変性症などは遺伝子異常なので治すのは難しいです。しかし、進行をストップさせるとか、遅らせるというのは可能ですから、取り組まれたらよろしいでしょう。

この話は師範通信とか前の会報誌でも述べましたが、再度、ここで述べるのはスマホの普及によって眼病予備軍が凄く増えているというニュースを読んだからです。これは最初のうちは単に眼精疲労でしょうけども、これを市販の目薬で誤魔化そうとしてはイケマセン。目薬に眼精疲労を治す力はありません。一時的にシャキッとさせる栄養ドリンクみたいなもので、こんなもので一時凌ぎしていくと余計にマズイことになります。

首肩のコリを取らないと同じことの繰り返しなのです。

直接、首肩のアプローチでも良いですし、反射区を使っても構いません。

私は若い人の初見の施術をするとき、スマホ、一日どれくらい見ています?とかパソコンにどれくらい向かって仕事しています?という質問を発します。

大昔、そんな質問する必要がなかったんですけどね(笑)

その答えによっては首肩に時間をかけたり、酒飲みなら肝臓に時間をかけたりとかの組み立てを行いますね。

※目の反射区が出てきてないじゃないか!と訝しがる人もいるかと思います。

もちろん、足揉みの場合は目の反射区を入れてください。ただあまりにも当たり前の話なので、省略させて頂いただけです。ご了承頂ければ幸いです。