12月吉日より3日間の行程で師範講習を行いました。
実に4年ぶりとのことだそうです。
まるでオリンピック・サイクルですね。
4年も経っていると、話す内容も進行形で思い出しながらの講義でした(笑)
そして新たに二人の師範が誕生したわけです(詳しくは本部からの紹介記事を見てみてください)。いずれの方も施術経験が非常に豊富なので、期待したいですね(プレッシャーをかけるわけではありませんけども)。
さてさて、私が顧問を引き受けたのは直江先生が亡くなった年のことですから2017年からということになります。丸6年が経過して、あと数ヶ月で7年になろうとしております。
カリスマ亡き後、どうやっても、誰がやってもその組織(特に手技団体)を牽引していくというのはとても難しいことです。
火中の栗を拾うみたいなもので、躊躇いはあったのですが、せっかく多くの人の努力によって1500人もの卒業生(当時)を輩出しているわけですから、雲散霧消してしまうのは見るに忍びないわけです。
かといって、本部に常駐はできませんので、今後は師範を中心に維持してもらうしかないということで、大きく路線変更の舵を切りました。
さらにいうと、足もみの一つの流派を名乗る以上は、少なくとも反射区の位置というのは統一して置かなければイケナイとも思いました。
仮に『私が習った部位とは違う』と反発されても、『受け入れられない』と拒絶されても、誰がなんと言おうと、このことだけは断行しようと思った次第です。
もしそうでなければ、関西風足心道とか広島風足心道とか、お好み焼きならそれでも良いのですが(笑)、手技については一つの流儀としての言い訳が立ちません。こればかりはそれぞれの人・地域によるテイストがあってはイケナイのです。
ただし、指の使い方については、人によって様々な特徴がありますから、統一するは必要はない!と。
親指一つとってみても極端な「反り指」の方も居れば「立ち指」の人も居るしその中間くらいの人もいます。指の大きさも強さも千差万別です。
そうした中で個別の手指の特徴を無視して自分のやり方を押し付けるならば、これは傲慢以外ナニモノでもないですよね。
これを強行しますと、結構、恐ろしい結末を迎えることがあります。
色んな場面、色んな講習会で述べておりますが、一つ怖い例をあげましょうか。
ある整体の創始者が居りました。彼の整体は中々評判が良かったので、ついには弟子をとるようになったのです。
で、たまたまその創始者の指は反り指だったのですね。ですから反り指の人がやりやすいように組み立てられておりました。
初期の段階では仕方ないような気がするのですが、この創始者の人、先生、先生と呼ばれるのが気分が良かったのか、かなり傲慢になっていったようです。そしてある時、言い放ちました。「指を立てるのは邪道である!」と。
さて、ここまで言い放つと何が起きるでしょうか。
反り指の人はいいのですが、問題は立ち指の人です。
当然、悩みますよね。自分には出来ない!と言って去っていくのならまだいいのですが、師匠に心酔している弟子もいるわけです。
悩んだ挙げ句、その弟子は何をしたか?
なんと金属性のハンマーで自分の親指の関節を破壊し、無理やり反り指にしようとしたのです。
ここまで来ると、もはや本末転倒のレベルではないですよね。
手技法の流派というよりカルトみたいなものです。
反面教師としてこの逸話を述べることがあるのですが、まさにこうなっていけないという典型的な例です。
ですから、その人の指の特徴にあったやり方を一緒に考えてあげるというのが指導者の正しいあり方だと思うわけです。
これも師範には徹底してもらいたいところでした。
要するに受講生ファーストです。
反射区の位置は統一されていて、指の使い方は個人差があっても構わないと。
結論からいうとこういうことです。
また、施術経験が豊富になってくると、(え?あれ?こんなところにシコリがあるなぁ)と思う場面が出てきます。
この場合、仮に教えられた反射区の位置とは違っても、そのシコリ優先しても良いのです。なぜなら個別の足の状態に対応しようとしているからであって、基本の反射区を軽視しているのとは全く違う次元にあるからです。
中級者以上はむしろ個別の足の状態に目を向けるべきと思いますね。ここらへんの機微は、最初の講習では中々教えられません。施術経験を積むか、各師範が主催する『勉強会』or『手合わせ会』に参加して学んでいくことになるでしょう。機会があれば参加をオススメします。
※シコリを一気に無くするのは難しいのですが、合理的に小さくしていく方法というのはあります。
そんなことで、久しぶりの師範講習ということで、顧問を引き受けた原点みたいなものを思い出す良い機会でもありました。
三上師範、藤木師範、遠いところご苦労さまでした。
そして、身体に気をつけながら、マイペースで頑張ってください。