第二次世界大戦時、ドイツのミサイルが雨あられと降ってきたロンドン空爆というのがありました。
日本でいえば東京大空襲みたいなものでしょうか。
いつなんどき、ミサイル攻撃されるか分かりませんからロンドン市民はどれほど恐怖に怯えていたことか。
そして実際、亡くなる方も多数いたようですし、それが原因で重篤な怪我を負う人たちも多数いらっしゃいました。
その中で、足を失う方も相当数いたようなのです。
両足を失う人もいたでしょうし、片足の方もいました。
さて、戦争が終わって、結局、英国は勝利したのですが、ここからが英国人らしい。民族特性というのでしょうか。彼ら特有の科学的方法(統計的手法)を用いて、戦後、足を失った方がどのような病気にかかり、どのような死に方をしていったのかを追跡調査していったのです。
アングロサクソン系の執念深さというのか、粘り強さというのか、それが長所として出るときは、大規模かつ長期間に渡る疫学調査をやってのける気質があるのですね。さすがアイザック・ニュートンを生んだ国です。
結論を言いましょう。
足を失った方が一番罹りやすかった病気、それは腎臓病だったのです。
まだ人工透析という治療法が確立していなかった時代ですから、結局、その腎臓病によって命を落とすことが多かったようです。
戦争は後々まで人々を苦しめます。全く忌むべきは戦争ですね。
さておき、
足に溜まる老廃物が万病の原因なら、その溜まる足そのものがないのですから、腎臓に負担がかからないはずなのですが、人間の身体というのはそんな単純なものではありません。
足と腎の関わりが深いことはすでに2千年前、東洋医学が指摘しているところですが、期せずして、それが証明された格好です。
医学的な説明は未だハッキリとできないのですが、統計的な事実としてはそういうことなのです。
一つ言えるのは、足があってこそ腎臓が鍛えられ、正常に働いていくということでしょう。
ならば、腎臓が反射区の基本ゾーンとしてあり、そこを熱心に行うということはダテではないということです。
また骨折したときに、足を揉むと、その治りが早くなり、医者を驚かせること度々。
そういう報告を何度も受けていて(なるほど、やはり血流が良くなるということは、骨の再生にも寄与されるわけだなぁ)と納得しておりました。
しかし、どうもそれだけではないようなのです。
腎臓という臓器はビタミンD3という活性型ビタミンDを産生するところであり、このビタミンD3はカルシウムの吸収に欠かせないものであることが分かっています。
ということは、足を揉むことによって、ビタミンDがD3に変換されやすくなり、カルシウムの吸収が盛んになって、結果、骨の再生が早くなるということになります。人の身体というのはやはり驚くべき治癒力があるわけです。
この事実を応用すれば、骨粗鬆症の方への予防改善、または老人の骨折は寝たきりを呼び込む最大の理由の一つですから、その予防改善にまで適応が及ぶということになるわけです。
さらに前にも述べていることですが、ビタミンD3は免疫機能の統制を司ります。ということは、今般のコロナ禍の中で、罹患予防ともなり得るわけで、その意義は計り知れないでしょう。
そんなことで、今回は腎臓の反射区の効能をまとめてみました。
基本ゾーンを疎かにしないということに尽きますね。