先日はお忙しい中、勉強会に参加に参加して下さり有難うございました。
如何でしたか?ちょっと絞りきれない部分もあって反省しているのですが、なんせ話したいことが山のようにあります。
あれでも絞ったつもりなのですが、少し総花的になったかなぁ、と終わったあと考え込んでしまいました。つまり凹んだわけです(笑)
ま、そういうこともあるさ、ということでもう立ち直っておりますが(早っ)、補足的に文章で説明できるところはしておきたいということで、今回、それに関する原稿を書いてみました。
まず質問コーナーで、私が講義で「腸内環境の悪化は認知症、特にアルツハイマーを発症させる」と述べたところ、小松師範がそれを補強する体験をお話してくれました。小松師範は介護の仕事をされているので、認知症の方と接するのが日常だそうです。
そこで、彼が思ったのは、アルツハイマー型認知症と宿便(便秘)の関係性は経験上、確かにあるかもしれないと。アルツハイマー型の方はほぼほぼ便秘を伴っているが、それに対してレビー小体型はそうでもない・・・脳梗塞型の認知症の方もそうとは限らない・・・ふ~む、確かになぁ、先生(武田)の言っていることは合っているかも知れんのう、と述べてくれました。ちょっと脚色は入っているのですが、概ねそういう話でした。思わぬところからの検証で、非常に心強く感じましたね。なんせ現場で認知症の人をお世話するのが仕事ですから、これ以上、確かな証言はないでしょう。有り難いことです。
この部分はアーカイブ動画にも入っていると思います。検証という意味では重要な証言ですので、聞き逃さないでください。
あと、リーキーガット症候群の話もしたかったのですが、ここまで言うとさすがに話が広がりすぎるので、割愛しました。
でも重要な話ですよ。
リーキーガット症候群というのは随分前から米国を中心に言われていた病態です。ただし、正当医学では異端扱いで、まともな医者なら相手しないという類ものです。トンデモ学説みたいなものですかね。
この症候群、概要をお話すると、腸(特に大腸)を構成する細胞の密さが無くなる・・・つまり細胞と細胞の隙間が空くというものです。その結果、正常な腸の細胞は有益なものを吸収し、有害なものをシャットアウトするという特性を持ちます(当たり前だ)が、その機能が維持できなくなるのですね。有害なものというのはアレルギー抗原、有害ウイルス、有害細菌、等々、いくらでもあるのですが、それらが腸を通じて全身に回ってしまうという原理なのです。
正常な腸の細胞は有益なものしか吸収しませんから、健常体で居られるということになるのですが、リーキーガット症候群は近い将来、トンデモナイことになってしまうよと・・・
主に自然療法家が唱えた理論ですから、正当医学の担い手である医師は当初、相手にしていませんでしたが、今やその医師が認めるに至っています。しかも腸の専門医で、製薬会社などにシガラミのない医師達はしっかり認め始めているわけです。
日本においては、リーキーガット症候群という言い方は馴染みがないので、“腸漏れ”という日本語訳で、表現することが多いのですが、むしろ分かりやすい言い方ですね。
原因は色々、研究されてほぼ分かっています。
一つは勉強会で述べた便秘などから来る宿便ーつまり腸内環境の悪さー善玉菌の少なさ。
一つはタンパク質の不足。これは近年、随分と言われていますね。日本人の8割以上はタンパク質が不足しているのだそうな。大腸の細胞を再生し、密にするためにはその材料であるタンパク質が欠かせません。その材料が不足しているのであれば、腸漏れを起こしても当然でしょう。またタンパク質だけを摂っても、それを合成するビタミンが不足していたのではなんにもなりません。当然、必要量のビタミンも摂取する必要があります。
さて、そのビタミンなのですが、近年の研究によってビタミンDの驚くべき効能(腸内細菌の絡みにおいて)が発見されています。
それは、“多様性”です。
しっかりビタミンDが摂れている人々は腸内細菌の多様性が担保され、お互い助け合って実に良い仕事をしてくれているという内容なのです。
多様性、英語ではdivergent(ダイバージェント)といいますが、一時、流行語かと思うくらい盛んに言われていました。人種や文化が多様であるほど、一見、非効率に見えますが、長い目でみると発展していける、という意味合いです。
腸内細菌もいくら善玉菌が多いといっても、その種類が少なければやがて衰退し、悪玉菌が優勢になっていってしまうのです。それをビタミンDによって防ぐことができるのですから、凄いことです。
骨を丈夫にするとか、免疫力を上げるとか、それだけでも充分な働きだと思うのですが、この上、腸内細菌の多様性を担保するという効能まで加われば、鬼に金棒ビタミンでしょう。
このことは是非、覚えておいてほしいですね。
昔、整体の勉強会でビタミンをテーマにして行ったことがありましたが、あれから6年か7年経ちまして、もう知識の更新をしておかないと時代遅れになってしまいます。
ビタミンDは油溶性ですから一日摂取量の上限は50μg(マイクログラム)。国際単位だと1000IUと言われていたのですが、今やそれが最低ラインで、200μg(4000IU)服用している医者もいるほどです。ホント知識を更新して置かないと、10年前の講義録では役に立ちません。
ビタミンについてはまだ言いたいことがありますが、宿便からかけ離れていきますので、この辺にしておきます。
あ、そうそう、下の話なので名前を伏せますが、I師範のご主人が酷い便秘になってしまったそうな。しかも足揉みさせてくれないという中々、お茶目なご主人で、困り切ったそうです。あるとき、足心クリームをもってトイレに突撃したところ「要らん!!」と一括されたそうな。
ここまで来ると、お茶目どころか可愛くない頑固者ですね。
あまりにも苦しかったのでしょう。便秘薬とは無縁の人生だったようですが、初めてドラックストアーでコー〇ックという宣伝でよく聞く便秘薬を買って服用したのだそうです。初日は特に変わった様子はなかったそうですが、2日の朝、便通が良くなるどころか、便意もなんにもなく、便漏れを起こして大騒ぎになったそうです。いきなりビック便が漏れてきたら、これはパニックでしょうね。少なくとも私なら、な、な、何が起こったんだ!と呆然とするでしょう。
いや~恐ろしい薬だなぁ、と夫婦でそこだけは意見が一致したそうです。
〇ーラックは刺激性便秘薬の中でもかなり効く部類に入ります。
一度も、刺激性便秘薬を使ったことがない人がいきなりコーラッ〇はキツかったのかもしれません。
その後、4~5日で回復し、元に戻り、便秘もなくなったということですから、実に幸いなことです。良かった。
逆の例もあるのです。
これは直接知っている人ではありません。ある腸の専門医の体験談です。
さすがに商品名を出すことは立場上難しいのでしょう。しかし、刺激性便秘薬であることは間違いありません。
その刺激性便秘薬を服用し続けていた女性の方、薬の量がドンドン増えて、遂に60日分の量を一日で消費しないと出ないという状況に陥ったそうです。
そして、それでも出なくなって、なんとかして!!とクリニックに飛び込んできたんだそうです。
いやはや、常識で考えても60日分の薬を一日で消費しても出ない??これは腸の麻痺じゃない?と考えますよね。専門知識がなくても分かりますよ。
案の定、浣腸をかけて内視鏡でみると、大腸メラノーシスが酷く、真っ黒のケだったらしい。当然、神経は麻痺状態で、蠕動運動はほとんどなし。こんなの治るんでしょうか?
浣腸で宿便を全部取って、整腸剤、ビタミン、タンパク質を適時取りながら、4~5ヶ月で元に戻したそうです。もちろん、急に便秘薬を止めると全く出なくなりますから、少しづつ減薬する、もしくは非刺激性のものに変えていくという指導はしたと思います。
しかし・・・こんな状態でも治るんですよ。
便秘で悩んでいる方、希望を持ちましょう。
ここまで酷くない人がほとんどでしょ。
ほとんどの場合、食事指導と手技で治していけるのです。
では皆さん、お元気で!